ビタミンKの重要性と効果的な摂取法

これまでのコラムでは、骨粗しょう症予防に重要な栄養素や食事法についてお話してきました。
今回は、骨粗しょう症治療における「注射薬」に焦点を当て、その中でも特に「骨形成促進薬」についてご紹介します。

骨粗しょう症治療における注射薬の役割

骨粗しょう症治療では、内服薬と注射薬の2つの選択肢があります。
注射薬は以下のような場合に選択されることが多いです。

  • 内服薬で胃腸障害が起こりやすい方
  • より確実な薬剤の効果を期待したい場合
  • 内服薬の効果が不十分な方
  • 薬を正しく飲み続けることに不安がある方

注射薬には大きく分けて「骨吸収抑制薬」と「骨形成促進薬」の2種類があります。骨吸収抑制薬は骨を壊す働きを抑制するのに対し、骨形成促進薬は積極的に骨を作る働きを促進します。
今回は、この骨形成促進薬について詳しく解説し、次回のコラムでは骨吸収抑制薬について解説予定ですので、併せてお読みください。

骨形成促進薬とは?

骨形成促進薬は、「骨を積極的に作る」働きを持つ薬剤です。当院での治療経験から、特に以下のような患者様に効果的であることが分かっています。当院での骨粗しょう症治療経験から、重度の骨粗しょう症の方や既に骨粗しょう症による骨折を起こしている方、従来の骨粗しょう症治療では効果が不十分だった方に特に効果的であることが分かっています。

これらの骨粗しょう症治療薬は使用期間に制限があることが特徴で、限られた期間内でいかに効果的に骨粗しょう症患者様の骨密度を改善するかが治療の鍵となります。

フォルテオ(またはテリパラチドBS) ~自己注射で確実な骨粗しょう症治療効果を~

フォルテオ(またはテリパラチドBS)は1日1回の皮下注射を行う骨粗しょう症治療薬で、生涯で最大24ヶ月間という限定的な使用期間が設けられています。専用のペン型注入器を使用することで、骨粗しょう症患者様ご自身で注射を行うことができます。

この骨粗しょう症治療薬の最大の特徴は、骨芽細胞を活性化することで骨粗しょう症患者様の骨密度を大幅に改善できることです。骨粗しょう症治療において腰椎で約9%、大腿骨で約3%の骨密度向上が期待でき、骨粗しょう症による新規椎体骨折のリスクを約65%減少させることが臨床試験で示されています。

ただし、初回注射後にめまいや立ちくらみを起こす場合があるため、当院では骨粗しょう症治療開始時に必ず院内で初回投与を行い、30分程度様子を観察してから帰宅していただいています。

テリボン ~通院による安心の骨粗しょう症管理~

テリボンは週1回の皮下注射を最大24カ月続ける骨粗しょう症治療薬です。フォルテオ(またはテリパラチドBS)と同じ成分でありながら、投与頻度が異なることで骨粗しょう症患者様の選択肢を広げています。
「毎日の自己注射は負担が大きい」と感じる骨粗しょう症患者様や、確実な投与管理を希望される方にとって、週1回の通院による骨粗しょう症治療は大きなメリットとなります。またテリボンには週2回の自己注射製剤もあります。

イベニティ ~二重の効果がある骨粗しょう症治療~

イベニティは最も新しいタイプの骨粗しょう症治療薬で、月1回の皮下注射を12ヶ月間続けます。この骨粗しょう症治療薬の革新的な点は、「骨形成促進」と「骨吸収抑制」という相反する作用を同時に発揮することです。

スクレロスチンという蛋白質の働きを阻害することで、この二重効果を実現しています。その結果、1年間で骨粗しょう症患者様の腰椎骨密度が約13%向上するという、他の骨粗しょう症治療薬では達成困難な大幅な改善が期待できます。

骨粗しょう症治療中の安全管理

骨形成促進薬による骨粗しょう症治療では、定期的なモニタリングが不可欠です。当院では骨粗しょう症診断の基本となる骨密度測定を開始前、6ヶ月毎に実施し、骨代謝マーカーや血液検査による骨粗しょう症治療効果判定も併せて行います。

注射部位の反応や頭痛といった一般的な副作用に対しては、初回投与時の院内観察や詳細な注射手技指導により対応しています。また、骨粗しょう症患者様が安心して治療を継続できる環境作りに努めています。

まとめ

骨形成促進薬は、重度の骨粗しょう症治療において革命的な選択肢となっています。使用期間に制限があるからこそ、適切な骨粗しょう症患者選択と丁寧なモニタリングが骨粗しょう症治療成功の鍵となります。

当院では、骨粗しょう症患者様一人ひとりの病状、ライフスタイル、骨粗しょう症治療への希望を総合的に考慮し、最適な骨粗しょう症治療を提案することを心がけています。
次回のコラムでは、骨粗しょう症治療のもう一つの柱である「骨吸収抑制薬」について詳しく解説いたします。

骨粗しょう症治療についてご不明な点がございましたら、お気軽に【うめだ整形外科】へご相談ください。骨粗しょう症患者様に最適な治療法を一緒に考えさせていただきます。