
カルシウムと骨粗しょう症(骨粗鬆症)の関係
骨粗しょう症は、骨密度が低下し骨の強度が弱まる病気です。日本では高齢化に伴い骨粗しょう症患者が増加しており、特に閉経後の女性に多く見られます。骨粗しょう症の予防において、カルシウムは最も重要な栄養素の一つです。カルシウムは骨の主要な構成成分であり、骨の強度と健康を維持するために不可欠です。前回のコラムでご紹介した通り、カルシウムはビタミンDやビタミンKと共に摂取することで、より効果的に骨粗しょう症のリスクを減らすことができます。
理想的なカルシウム摂取量と骨粗しょう症(骨粗鬆症)予防
骨粗しょう症の発症リスクを下げるためには、適切なカルシウム摂取が欠かせません。日本人の食事摂取基準によると、成人の1日あたりのカルシウム推奨量は以下の通りです。
- 成人男性(18〜64歳):650mg
- 成人女性(18〜64歳):650mg
- 高齢者(65歳以上):700mg
- 妊婦・授乳婦:700〜750mg
特に閉経後の女性や高齢者は、骨粗しょう症のリスクが高まるため、十分なカルシウム摂取が重要です。
カルシウムが豊富な食品と骨粗しょう症(骨粗鬆症)対策
骨粗しょう症予防のためには、カルシウムを豊富に含む食品を積極的に摂取することが大切です。以下に主なカルシウム源となる食品をご紹介しますのでご参考ください。
【乳製品】
- 牛乳(200ml):220mg
- プレーンヨーグルト(100g):120mg
- チーズ(プロセスチーズ20g):140mg
【大豆製品】
- 木綿豆腐(1/3丁、100g):120mg
- 納豆(1パック、50g):45mg
- 豆乳(200ml):40mg
【魚介類】
- いわし丸干し(2尾、40g):300mg
- しらす干し(大さじ2、10g):140mg
- さけ(1切れ、80g):8mg
【野菜・海藻類】
- 小松菜(1束、80g):170mg
- ひじき(乾燥、5g):70mg
- わかめ(乾燥、5g):60mg
- ブロッコリー(1/2個、80g):30mg
これらの食品を日常的に摂取することで、骨粗しょう症予防に効果的なカルシウム摂取が可能になります。
カルシウムの効率的な摂取法
カルシウムを摂取する際には、以下のポイントに注意することで、より効率的に体内に取り込み、骨粗しょう症のリスクを低減することができます。
ビタミンDと一緒に摂る
カルシウムの吸収率を高めるためには、ビタミンDを同時に摂取することが効果的です。鮭やしいたけなど、ビタミンDが豊富な食品と組み合わせましょう。
少量ずつ分けて摂る
カルシウムは一度に大量に摂取しても吸収率が下がります。1日の摂取量を2〜3回に分けて摂るようにしましょう。
リンやカフェインの摂りすぎに注意
リンやカフェインの過剰摂取は、カルシウムの吸収を妨げる可能性があります。スナック菓子や清涼飲料水、コーヒーの摂取量に気をつけましょう。骨粗しょう症リスクを高める要因になり得ます。
適度な運動と組み合わせる
カルシウムの摂取と適度な運動を組み合わせることで、骨密度の維持・向上に効果的です。特に、ウォーキングや軽い筋トレなどの荷重運動がおすすめです。骨粗しょう症予防には運動習慣が不可欠です。
カルシウムサプリメントについて
食事だけでカルシウムを十分に摂取できない場合は、骨粗しょう症予防のためにサプリメントの利用も選択肢の一つです。しかし、サプリメントを利用する際には以下の点に注意しましょう。
- 医師や専門家に相談してから摂取する
- 過剰摂取に注意する(上限量は2,500mg/日)
- 可能な限り食事からの摂取を優先する
当院では骨粗しょう症の早期発見のための骨密度測定も行っておりますので、ご自身の骨の健康状態が気になる方は、お気軽に【うめだ整形外科】までご相談ください。一人ひとりの生活習慣に合わせた、最適な骨粗しょう症予防のアドバイスをさせていただきます。
次回のコラムでは、カルシウムをより効率的に摂取するための具体的な方法や、日常生活に取り入れやすいカルシウム豊富なレシピなどについて詳しくご紹介します。毎日の食事でカルシウムを意識して摂ることが、健康な骨を維持するための第一歩です。ぜひ次回の「カルシウムの上手な摂取法」もご覧ください。