前回のコラムでは、変形性膝関節症の保存療法として、運動療法・薬物療法・注射療法・装具療法についてお伝えしました。
今回は、保存療法の中でも特に重要な「リハビリテーション」に焦点を当てます。適切なリハビリを継続することが、膝の痛みの改善と日常生活の質の維持・向上に大きくつながります。

なぜリハビリが重要なの?

変形性膝関節症の方の多くは、痛みをかばうために膝をあまり動かさなくなります。しかし、動かさない状態が続くと筋力はさらに低下し、関節が硬くなり、結果として症状が悪化するという悪循環に陥りやすくなります。

リハビリテーションの目的は、この悪循環を断ち切ることです。膝周囲の筋力を強化し、関節の柔軟性を高めることで、膝への負担を軽減し、痛みが出にくい状態をつくります。また、正しい姿勢や歩き方を身につけることも、膝への余計な負荷を減らすうえで重要です。薬や注射で痛みをコントロールしながら、リハビリで根本的な改善を目指すことが、保存療法の理想的な進め方といえます。

筋力トレーニング

変形性膝関節症のリハビリにおいて、最も基本となるのが筋力トレーニングです。特に重要な筋肉は以下の通りです。

大腿四頭筋(太ももの前側)は、膝関節を支える最も重要な筋肉です。この筋肉を鍛えることで、歩行時や階段昇降時の膝への衝撃を効果的に吸収することができます。代表的なトレーニングとして、椅子に座った状態で膝をゆっくり伸ばす「膝伸展運動」や、仰向けで脚をまっすぐ持ち上げる「下肢伸展挙上(SLR)」があります。

ハムストリングス(太ももの裏側)も、膝の安定性を支える重要な筋肉です。大腿四頭筋とのバランスを整えることが、膝関節への負担を均等に分散させるうえで大切です。

股関節周囲筋の強化も見逃せません。股関節の筋力が低下すると、歩行時に膝への負担が偏りやすくなるため、お尻周りの筋肉を鍛えることも変形性膝関節症のリハビリでは重要視されています。

ストレッチ・柔軟性トレーニング

筋力トレーニングと並んで重要なのが、ストレッチによる柔軟性の維持・向上です。

膝関節の動きが制限されると、日常生活のさまざまな場面で不便が生じます。特に、膝を曲げる動作(正座・しゃがみ込みなど)が困難になると、生活の質に大きく影響します。太ももの前後・ふくらはぎ・股関節周囲のストレッチを継続することで、関節の可動域を維持し、動作時の痛みを和らげることが期待できます。

ストレッチは反動をつけずにゆっくり行うことが基本です。痛みが強い時間帯を避け、入浴後など体が温まった状態で行うと効果的です。

自宅でできるリハビリのポイント

リハビリは、クリニックでの施術だけでなく、自宅での継続が非常に重要です。ただし、間違った方法で行うと膝への負担が増し、症状が悪化する場合もあります。以下のポイントを押さえておきましょう。

痛みが強い時は無理をせず、軽い範囲で行うことが大切です。また、毎日少しずつ継続することが、一度にまとめて行うよりもはるかに効果的です。回数や強度は、理学療法士の指導のもとで自分に合ったものを設定することをお勧めします。

うめだ整形外科のリハビリサポート

茨木市・総持寺のうめだ整形外科では、理学療法士による専門的なリハビリ施術を提供しています。患者さまの膝の状態・筋力・生活スタイルに合わせた個別のプログラムを作成し、クリニックでの施術とあわせてご自宅でできる体操・ストレッチの指導も丁寧に行っています。「何をすればいいかわからない」「自己流でやっていたが効果が出ない」という方も、ぜひ一度ご相談ください。茨木市周辺で膝のリハビリにお悩みの方のご来院をお待ちしております。

次回は、変形性膝関節症と日常生活の工夫について、痛みと上手につき合うためのポイントを詳しく解説します。