前回のコラムでは、変形性膝関節症の症状の特徴と、進行のステージについてお伝えしました。
今回は、整形外科を受診した際に実際どのような診断・検査が行われるのかについて解説します。「病院やクリニックに行ったら何をされるのだろう」という不安を少しでも解消していただけると幸いです。
問診・視診・触診
整形外科での診察はまず、問診から始まります。
「いつ頃から痛みがあるか」
「どんな動作のときに痛むか」
「過去に膝を怪我したことがあるか」
「普段の生活スタイルや仕事内容はどうか」
といった情報が、診断の重要な手がかりになります。
次に視診・触診を行います。膝の腫れや変形の有無、皮膚の状態、O脚・X脚の程度などを目で確認しつつ、膝を実際に触って痛みの場所・範囲・熱感・水のたまり具合などを確認します。また、膝の曲げ伸ばしの角度(関節可動域)や、歩行の様子も重要な評価ポイントです。
こうした問診・視診・触診だけでも、ある程度の状態把握が可能ですが、より正確な診断のために画像検査を組み合わせます。
レントゲン検査
変形性膝関節症の診断において、最も基本となる画像検査がレントゲン(X線)です。レントゲンでは、骨の形状や関節の隙間の広さを確認することができます。
前回ご紹介したKellgren-Lawrence(KL)分類(グレード0〜4)も、このレントゲン所見をもとに評価します。関節の隙間がどの程度狭くなっているか、骨棘(骨の突起)がどの程度形成されているか、骨の変形はあるかといった点を確認し、現在の進行度を把握します。
なお、レントゲンでは軟骨そのものは映らないため、「関節の隙間の広さ」で軟骨の残存量を間接的に評価します。隙間が狭いほど、軟骨がすり減っている状態を示します。
超音波検査(エコー)
近年、整形外科の外来でも広く活用されるようになっているのが超音波検査(エコー)です。エコーは放射線を使わないため体への負担がなく、リアルタイムで膝の状態を確認できるという特長があります。
特に、膝に水(関節液)がたまっているかどうかの確認や、膝周囲の腱・靭帯・軟部組織の状態の評価に優れています。また、炎症の程度や、注射治療を行う際のガイドとしても活用されます。レントゲンと組み合わせることで、より詳細な状態把握が可能になります。
MRI検査
レントゲンやエコーで判断が難しい場合や、より詳しい評価が必要な場合には、MRI検査を行うことがあります。
MRIでは、軟骨・半月板・靭帯・骨の内部といった、レントゲンでは映らない組織を詳しく確認することができます。
特に、変形性膝関節症に半月板損傷や靭帯損傷が合併しているケースでは、MRIによる評価が治療方針の決定に大きく影響します。すべての患者さまに必ずしも必要というわけではありませんが、症状や所見に応じて適切に判断されます。
なお、MRI検査は院内では実施しておらず、必要と判断した場合には、連携する医療機関をご紹介いたします。
検査を受けるべきサインとは?
「大げさに思われないか」「まだ我慢できる痛みだから」と受診をためらう方も少なくありませんが、早めに状態を把握しておくことが、その後の治療の選択肢を広げることにつながります。膝の痛みや違和感が続くようであれば、お気軽にご相談ください。
うめだ整形外科の診断サポート
茨木市・総持寺のうめだ整形外科では、問診・触診に加え、院内でレントゲンおよび超音波検査(エコー)を行うことができます。必要に応じて連携医療機関でのMRI検査もご案内し、患者さまの膝の状態を多角的に評価したうえで、最適な治療方針をご提案します。また当院では、理学療法士による専門的なリハビリ施術や、ご自宅でできる体操の指導にも力を入れており、診断から治療・リハビリまで一貫してサポートいたします。膝の痛みや違和感が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
次回は、変形性膝関節症の保存療法について、手術を使わずに症状を改善する方法を詳しく解説します。












